最近、博多華丸・大吉のコントに、ラジオ番組に町のPR担当者が出るという
ほほえましいネタがあります。
ここで一生懸命伝えたかったのは
「実は福岡は、うどんがうまい」ということだとか。
事実、秘密のケンミンSHOWでは、福岡ネタでやはり
うどんが取り扱われ、ありえんくらいの視聴率を「地元で」たたき出したとか。
さて。
何かと話題の福岡のうどん屋でも、かなりメジャー級なのが「牧のうどん」。
食っても食っても減らない、うどん。
うどんなのに、麺の堅さを選べる。替え玉がある。スープはお替わり自由。
などなど、オリジナリティは枚挙にいとまがない。
これらの、牧のうどん等に見る、「何故かおばちゃんのオペレーション」がすげーという話を
小生の先輩がfacebookに疑問を投げかけた。自分なりにその回答を考えてみました。
答えは「(1)容赦ない発注・製造」。
そしてその生産オペレーションは、
店頭のおばちゃんから顧客へ「(2)緊迫感」と「(3)圧倒感」を生む。
そのサイクルに顧客も同調しちゃうので、「回る」んじゃないか?
まず、とくにこの 牧のうどんに象徴されるうどん屋さんは、ありえんほど「回転が速い」。
特に牧のうどんは、ほぼ容赦なく麺がゆがかれ続け、釜に仕切りがあって、堅→中→柔 と移され、
それでも食べられなかったものが、お持ち帰り用の麺としてパックされる。
つまり常に目の前に、アツアツの在庫がある。それを秒単位で捌く。
この仕事に対応するおばちゃんを見てて、いつも思い出すのが
餅つきをするときに餅を臼でひっくり返す人。
「ほい、ほい」と混ぜる。しかも熱い。上からは杵が突っ込んでくる。
この秒速のトーンに、おのづから緊迫の度合いが増す。つまりテンション。
ここに「緊迫感」を感じる。。。。
さらに。おばちゃんは顧客にとって、ある意味カリスマなんだと思う。
客は大きく二分できる。1つは、ロンリーなおっさん。ドライバーや営業マン。
いつも無口。こんな客には、うどんを、どっか!と置いて、「ほい、ほい」と
処理して食わせれば、お互いハッピー。あのテンションで圧倒されると、かえって
癒される。つまり来店する男性客はマゾであり、マザコンなのでしょう。
もう1つは、乳幼児を連れたママ。子供がはしゃぎまくり、食い物をこぼし、
ママは怒鳴り散らし、いらいらする。その様子に、華麗に対応できるのも、
やはりおばちゃん。「ほい、ほい」とテーブルを拭き、座敷の上の子供椅子を移動させ
とっとと片づける。母としての力における圧倒的なベテランぶりを見られる。
この昭和の家にいたような、母ちゃんが店内にいて、その圧倒感に客が惚れる。
うどん店はそんな究極の舞台を作っているようなもんだ。
物の動き、人の動きの速さがあると、必然的にテンションがあがる。。。
しかも、うどん屋さんの場合、これに加えて「熱」がある。
もうもうと出る水蒸気,湯気。躍動感を鼓舞し、一体感を演出する熱さ。
活気ある店は儲かっているように見える。
だったら、じゃんじゃん作って売るんじゃ!という。。。
やっぱり「仕組み」がいるんですね。「仕組み」って大事だなぁ。