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南北首脳会談があっても、状況は何も変わっていない

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1年前のきょう、日本ではどのようなニュースが流れていたか、ご記憶ありますか?北朝鮮のXデーが●●日にやってくる、などと日本のマスコミが煽りまくっていた、ちょうどそのころです。そして大統領選挙の直前でもありました。

日比谷線が止まったのも昨年の4月30日です。ミサイルが飛んでくる、とビビッて地下鉄止めるなど、愚の骨頂です。韓国に渡航するのが危険だと、勝手に人々が漏らし、危険だから行くの止めます、などと、わけのわからん判断をする日本企業が後をたちませんでした。

事実の抽出ではなく、恐怖心と感情が人を動かす日々でしたね。去年に限らず、ここ数十年の日本人の行動には斯様な傾向があります。で。今回の南北首脳会談。あたかも融和ムードがあるかのような空気をメディアが作っています。本当に日本には情報弱者が多いとお見受けします。どんなニュースが流れようと、現実を直視しなければいけません。私たちが直視する現実とは「現存の軍事力」と、その力が均衡を保てている「抑止力」だけです。

 

日本周辺の主な戦力

 

どれだけ、危機をあおっても、この状況は変わりません。そして今年に入ってどれだけ融和ムードだとか宣っても、在韓米軍がいて、空母は近隣にいて、いつでも米軍が攻撃できる状況は目の前にあるのです。そして北朝鮮の国境には、人民解放軍がいるのです。今も緊張感がある日々なのです。日本のメディアがどう伝えても、現実と現状は去年も今年も変わりません。

私たちの生活、韓国の生活を守っているのは、各々の国の軍事力とアメリカ軍の軍事力、そしてそれらを背景とした外交交渉力です。その事実をきちんと受け止め、そのおかげで、自身の生命と財産が守られている現実にもっと感謝しましょう。

橋頭堡である韓国に来る都度、そう感じます。そしてメディアの伝える朝鮮半島情勢のお祭り騒ぎを見るたび、私の知る人々だけにでも、正しい情報を伝えたいと感じるのです。

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