見えない生態系破壊

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さて、きょうも山の話。
今回の登山には、アルピニストの方の他に、
同じくくじゅうに強い地元のペンション経営者の方も付いてきてくれました。
まぁ登山に素人が同行する際は、先頭としんがりに経験者を据えて
その間に素人を挟むのが一般的。
今回は、その経営者の方が隊列のしんがりとなったわけです。
で、最近あった興味深い話。
なんと最近、登山にペットを連れてくるやつがいるそうです。
それも、柴犬のような元もと日本にいる屋外犬ではなく
室内犬で、かつ外来種。
例えば、チワワやダックスフンド、さらにはヨークシャテリアやマルチーズなどなど。
連れて来るのは当然、登山のド素人。
比較的若いねーちゃんや、おばちゃまあたりだそうな。
で、ある時、室内犬を連れた登山客を見て、ベテランの登山者が
「犬を連れて山に入るのは、おやめなさい」
と、のたまったそうな。
当然、ご不満なご様子の女性。
ペットを飼う人間っちゅうのは、得てして「ペット=家族」「ペット=一心同体」と思っているとか。
子どもや老人といった家族を連れていいのに、何故ペットはいかんのか?という考え。
この考えに、ベテラン登山客は一喝したとさ。


「犬を連れてくることは、山の生態系を破壊します。」と。
理由がわからなかった。僕にも。
「何故ですか?」
「犬が自分の持つ匂いを山に付けることで、
元来山に住む小動物の生活環境が変わってしまう」のだとさ。
元々動物独自のにおいを持つペット犬が、さらにマーキングでもしようものなら
その地に住むイタチなどの小動物が今までにない動きをすることになります。
すべての動植物の生活があるからこそ、山の環境がバランスを保てているのに、
人間が本来その地にいない動物を連れてくるだけで、そのバランスが壊されるのです。
人間は「匂い」に鈍感。自然環境そのものにも鈍感です。
「ペット=家族」という考え方は、所詮人間が勝手に作り出したイズムでしかありません。
飼い主が自分の論理を自然界に持っていくこと自体、本末転倒なのですよ。
外来種を持ち込むこととは、たとえ自分の家の中だけであろうと、日本の自然に
何らかの影響を及ぼす罪深い行為なのかもしれません。
ペット自身を連れてこなくたって、飼い主にはペットのにおいは付いているでしょうからね。
それゆえ・・・というわけでもないでしょうが、僕はちなみに愛玩動物を「飼う」ことが嫌いです。
人の家のペットには抵抗がないのですけど。家族がペットを飼うこと自体、本当は我慢とですよ。
特に室内で飼う場合。存在自体がストレスなので、ここだけの話ですけど。。。

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コメント

  1. この話は興味深いです。

  2. 岡ボーズ より:

     ペットの葬儀についても同じようなことが言えるかもしれません。「ペット=家族」という構図で「家族同様だから」「精神的に癒された」「心の支えです」などの一方的な人間様の言い訳ばかり…。ペットと言えど「畜生」の動物世界なんですから、人間と一緒にしては駄目でしょう。

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