放送局裏話

嘘を売ってないか?

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とあるラジオイベントに立ち会いました。
 
チケットが数分で完売するほどの、非常にコンテンツの魅力が高いイベントです。
今回は、このイベントに僕の担当しているお客様が協賛して下さったので
立ち会うこととなったのです。
 
ということで、開場され実際に内容を拝見。
はっきりいって、大変面白かった。お客様たちも大満足で、成功裏に終わったと僕も感じています。
このイベントは収録もされ、後日放送されます。
ゆえに放送局が主体のイベントとなるわけです。
 
ところが。
僕にはどうしても、今回のイベントに携わっている自社の人間が「楽しんでいる」とは
思えなかったのです。残念ながら。
 

責任者がイベント中、本を読んでいた。
しかも客から見えるところで。話を聞いていない。そもそも会場を楽しんでいない。
収録が一瞬途絶えた。
 

「ゲストのマイクの持ち方が悪い」のが理由だそうな。おそらく技術スタッフからの要望でしょう。
まぁ放送の現場から離れて3年ぶりに戻った、その現場では信じられない光景が
このように次々とあからさまになっていたのです。

 
放送やイベントの企画を作って運営するにあたっては、その主催者たる僕ら自身が
まずもって「好き」で「やりたくてたまらん」状態でなければならんのです。
「夢」を売るのが放送局の現場の信条のはずだから。
まかり間違っても、客の気持ちを萎えさせるような行為や態度、演出をしては
いかんのです。特にイベント会場にいたっては、客はわざわざ「金を払い」そして「来る」から。
手間の見返りをフルに出す義務が僕らにはあります。

 
ゲストのマイク使いが悪いのは、当たり前。素人なんだから。
そのあらゆる場合を想定して、最善の状態を「あらかじめ」作っておくことが技術スタッフの義務。
僕が現場なら、技術からマイクの持ち方を注意しろ!などとオーダーが入ったら
「お前が悪い」と一喝するところですが。
協賛して下さったスポンサーの方を連れた僕自身の気持ちとして、
本来、夢や希望を売るはずの僕らが、実は「嘘」を売っていないか?と思ってしまったのです。
まぁ堕落以外の何者でもないな。
 
がんばって運営や制作に携わるスタッフも、一部の心無い振る舞いのせいで報われないのもつらい。
とっても考えさせられ、そしてつらい気持ちになった夜の出来事でした。。。
 
ちなみに。
お客様は女性がほとんど。
演出があれば、もっと盛り上がったんだろうなぁ。と思ってしまった。
イベントも基本は「生」。
その「生」らしさと、客との肌での交流が、ちょっと欠けてた感があった。
まぁ、人が足りないもんな。
そこまで一生懸命できないのかなぁ。もう。

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コメント

  1. 半蔵門和己 より:

    はじめまして。
    思わず書かずにいられなくなって書き込みました。
    >その主催者たる僕ら自身がまずもって「好き」で
    >「やりたくてたまらん」状態でなければならんのです。
    福助を再建した藤巻幸夫氏も言っていた
    「売り手が売る商品を好きであること」って、大事。
    製造業で、自社製品のいいところも悪いところも隠さず言う人が知人にいます。
    こいつが働いている限り、ここの製品買いたいなぁって思ってる。そういう感覚ですよね。
     
    最近、僕は意識して「リスナー」って言わずに
    「お客さん」「お客様」と言うようにしてます。
    リスナーって言葉、便利だけどあくまでも放送局サイドの主観でしょ。
    それに、番組を聴く人だけでなく、商品や情報を提供する人だっているなら、
    リスナーでは範囲が狭いなって感じるんです。
    このブログを、番組作りの「おきて」として、読ませてもらいます。
    ラジオ屋といっても、コミュニティFMのボランティアですが、
    少しでも長くかわいがってもらえる番組作りに、汗を流したいと思います。
    それでは、日本一?FM局の電波が密集した北の街より失礼します。

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