書評|日本沈没  1  地下の竜巻 (ビッグコミックス)

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どうでもいい話ですが、僕はよく漫画を読みます。
昔はコミックを買いあさっていましたが、最近はカネもないので、すっかり立ち読み派です。

日本沈没 1 地下の竜巻 (ビッグコミックス)
小松 左京 一色 登希彦
小学館

これ、ご存知でしょうか?
「あぁ日本沈没ね」 映画や小説ででまくっているので、だいたい知ってるでしょう。

で、なんでこの話をあえて出したのか?
実はこの漫画は、現在ビッグコミックスピリッツにて連載されているのですが、
今週の描写が非常に過激です。

過激というのは、政府や消防などが怖くて描けない、サイアクのシナリオを
描いているからです。一種のストレステストですな。
阪神淡路大震災クラスの地震が、東京において夕方の5時ごろ起こったら…
という想定です。

年末の号では、直下型地震によって電車や地下鉄、地下街などで人々が
およそ30万人即死し、ついで揺れや落ちてくるガラス、などで○○万人死ぬと
描かれていたのですよ。(細かい数字は忘れた)

この漫画を通じて、政府や消防がはじき出すシミュレーションが如何に甘いかを
痛切に訴えています。まぁ政府としてはパニックを抑えたいという気持ちがあるのでしょうが
一方で、最悪の事態を想定し対処することも危機管理の重要な要素だもんな。

で、この漫画の今週号がさらに描いているもの、それはかっての関東大震災の
事実を根拠に明確かつ恐ろしく訴えています。さて、それは何か?
それは「火災旋風」です。
何か分からん人は、まずリンクを見ましょう。

この事態は、「陸軍被服厰跡地の悲劇」として残る関東大震災後の史実です。

別のホームページによると…

「こうした避難地のうち、もっとも大きな悲劇に見舞われたのは、
本所区横網町の陸軍被服廠跡地であった。

ここには、本所・深川方面から火に追われて3万数千人の人々が押し寄せ、
地震から3時間が経過した午後3時頃には、2万坪以上ある広場が避難者で
いっぱいになった。しかし周囲に延焼し、四方から火が襲ったため、
午後4時頃には、広場に猛烈な火災旋風が発生した。

また、避難者が運び込んだ膨大な荷物に飛び火し、
それが人々の衣服や髪の毛に燃え移って、まさに生き地獄のようなありさまになってしまった。
火災は、午後8時ないし9時頃にはようやくおさまったが、
そのときには死者は3万8千を越え、
一方、生存者はわずか200名にすぎなかったのである。
(中略)
そのうち、午後4時頃になると、猛火のためにすさまじい旋風が
被服廠内に巻き起こった。旋風は、まるで悪魔のようなうなりをたてて
避難民に襲いかかり、木材も車も家財も人も火のかたまりとなって、
宙に舞い飛んだ。また大火焔は人と荷物をひとなめにし、
断末鬼の叫びが、閧の声のようになって廠内に響き渡った。

しかし、こんな場合にも生きようとする人間の努力は恐ろしい。
場内の中央部にあったわずかばかりの水溜りの中に全身を浸し、
その後で蒲団をかぶったり、あるいは折り重なった人々の下敷きになって、
九死に一生を得たものが200人ばかりいたということである。

この恐ろしい旋風と火災は、夜の8時頃になってようやく鎮静したが、
そのあとには、3万2千人以上の人間が、累々たる死体となって残されたのであった。 」

で、肝心の漫画はこの火災旋風が
間違いなく起こる場所として新宿西口を挙げている。

関東大震災時以上に、猛烈な炎になるだろうという根拠として、
道端に転がる数々の車両に眠る
ガソリンと、新宿西口に数々建つ、
都庁を含む高層ビル群が生む「ビル風」を指摘しているのです。
めっちゃロジカルかつ、非常に恐ろしいです。

この漫画が訴えること、それを一言で「日本人は記憶喪失」と表現する。
かつて一度あった歴史をもう忘れている、ということだな。
高層ビル群が存在しない福岡はあながち、安全性の高い町かもしれん。

阪神淡路大震災の日を前日に控え、ふとこの漫画の恐ろしさを思い出した。
ぜひ読んでみなさいな。

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