地域ブランド開発に関する誤解

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地域ブランドの開発や販路開拓などの相談を
たまに受けることがあります。中には自治体の職員の方も
いらっしゃいます。地域ブランドを開発しようとする自治体や
地元の方々の苦労は尊敬に値します。

ただ認識違いも多い。以前ツイッターに連続ツイートしたことを
改めてブログにまとめてみたいと思います。

その1
ブランド化=差別化 と言う人が多い。でもそれは間違っています。
差別化はブランド化のための手段の一つでしかありません。

その2
ブランド化=長期的なイメージ創造であり、イメージを通じた価値創造です。

「価値」の中には、具体的には、品質・生産地イメージ・生産者イメージ
・対象者(購入者)イメージなどが挙げられます。

「ステータス」という言葉を用いたらイメージがわきやすいかもです。
「価値ある田舎」もあれば「田舎くさくて安っぽい田舎」があります。
それは「商品」も一緒なのですよ。

その3
特に地域ブランドに関して、この「価値創造」は生産者だけでは不可能です。
では誰と創造するのか?それは「消費者」です。消費者との相互交流なくして
地域ブランド作りはまず無理でしょう。弱気だったり、凝り固まった考え方を
持っている商品提供者の場合はほとんどが「消費者=顧客」の顔を知らない、
または少ししか知らない、というパターンです。

換言すると、地域イメージがすでに刷り込まれている地域の特産品は
「消費者との価値創造」という点で優位性があります。

たとえば呼子のイカや、伊万里の牛肉などが典型です。
観光地として成り立っており、顧客が既に土地を知り、行き来して
その場所(地域)の価値を知っているからなのです。

その4
自治体の施策でよく出てくる話で成果が上がりにくいものが「販路開拓」。
流通やマーケティングの知識がないような担当者はすぐに、
「ウチのブランド商品をデパートや量販店に置いてくれ」などという
安易なオーダーをしてきます。ありえません。

量販店からすれば、
「その商品は売れるのか?」「いつでも手に入るのか?」「ウチは儲かるのか?」を
まず考えます。当然ですが。

安易安直なオーダーをする人(生産者や協力者)に限って言う台詞は
「地産池消を促すべき」「地元の特産品だから置くべき」「地元密着の観点から協力すべき」
という「べき」論を展開。結果として商品を置いてもらえるわけもなく…。
ここではっきり言っておきますが、売れないものを置くリテールは存在しません。

その5
では「売れる商品」とはどんな商品なのか?っちゅうことで
地域ブランド作りにマーケティングが必須なわけです。

消費者のニーズや人気などは絶対に必要な情報です。

これを確保して市場に投下することを行わない限り商品が売れるわけもない。
消費者目線がない地域ブランドは、いわゆる本当の「ブランド」ではないわけです。
ゆえに売れないわけです。売れるわけがないのです。

しかし消費者目線の批判や人気順位の数値化などを、
一般的に自治体は平等主義から嫌います。つまりそこで競争を避けます。

だから本気の商品が生まれないし、施策もうまくいかないし、
地域住民の血税が、やる気のない商品開発や販売に投下されるのです。

マーケティングやランキング作りといった競争市場に合った施策は
生産者のモチベーションを削ぐなどと荒唐無稽なことを言って抵抗しては
地域住民の血税を、その場しのぎの即売イベントなどにつっこんで
その場しのぎの売上で満足する。。でも販路は当然開拓できないまま。。
そうなったら最悪です。地元住民の中でも生産者と消費者との溝は
ますます深まってしまいます。

その6
だけど田舎の方々に厳しいことばかり言っても仕方がない事情も理解できます。

結局、何をしてよいのかわからないから、単発のイベントへ一緒に参加して
頑張って手売りすることで終始する。イベントは販売者満足度が高いが
中長期的戦術ではない。だから施策でイベント出展はよくあるけど
単年度でしか企画できない。堂々巡りですね。。。

その7
せっかく売れそうなシーズが世の中いっぱいあるのに、
そこにインキュベーションの仕組みがないのが問題なのかもしれません。

ベンチャー企業と同様にやる気ある生産者を対象に、
地域ごとの農商工連携のインキュベの仕組みができれば、解消の余地はあるのかもです。

まずは「作れば売れる」と思う、20世紀思考を捨てて欲しいものです。
そして「地域ブランドは地方自治体にあるべき」というあるべき論も捨てて欲しい。
生産者主導の地域ブランドから顧客の視点を入れて改良を重ねる地域ブランド作りに
シフトして欲しいものです。

商品開発とブランド開発はそれだけ難しいものです。
そしてそれは行政施策ですべきことではないと、僕は考えます。

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